誰かと誰かの間にある嫌じゃない所のはなし
11月に入り、アウトプットしたいことだらけで、珍しくblogの更新が早いですw
トップの写真は今回のテーマに全く関係ないですが、先週久しぶりに飲んだフラスタの抹茶オレ。
さて、今日は何の話をするかというと、前回フィールドアカデミー研修の振り返りでも書いた”合意形成”に関してのお話をもう少ししたいと思っています。
前回も書きましたが、合意形成(コンセンサス)ってワードは日々色んなところで聞くようになりました。僕がなぜ、この話題を持ってきたかというと、とってもとっても苦手だからです。
相手が「いいよ」って言ってくれてやった事なのに、終わってから「そういうことを言ってたんじゃない」って言われた経験がめちゃくちゃ多いんです…。仕事でもプライベートでも。最近はちょっとだけマシになったとは思うんだけど、まだまだ全然出来ていません。よーく話を聞いて、自分の思いも伝えて、「YES」って言ってくれたのになんで…。って事を嫌ってほど経験してきました。全く自慢になりませんが…。
この間のフィールドアカデミーの時もそうだったんです。説明したつもりが全然伝えられていなくて、自分の良いように解釈をしてしまい、結果としてみんなには本当に迷惑を掛けてしまいました。
社内でもそんな事がよく起こりますし、プライベートでは関係が近ければ近いほど頻発します。
立場によって意識するポイントは変わってくると思います。
例えば代表という立場で考えてみますね。代表という意思決定のTOPというラベルが付いているので、合意形成の取り方はより慎重にならないと、後々大きなアクシデントが起こってしまいます。「代表は偉い人だから逆らえない」、「代表が言うんだから間違っていないはずだ」、「YESと言っておいた方が身のためだ」組織文化によってはこんな風に捉えている社員は多いのではないかと思います。
これが続くことで、違和感を言えない組織文化になり、粉飾決済が起こったり、命に関わるような事故が起こったりして、組織が壊れていくんだと思うんです。自分の会社では考えたくないですが、ちょっとしたボタンの掛け違いで起こり得ることだと思っています。
夫婦って関係になると、また違う形になります。「自分のことを分かってくれているだろう」という思いが強いと限りなく内容を省略して伝えてしまうことってあると思います。みんなもそうでしょ?って風に言ってしまいましたが、これが僕のいけないところですw
自分の価値観を押し付けずに、まずは相手の価値も受け容れるというふるまいが大事だと言い聞かせています。そして、丁寧に伝えて、もっと言えば行間を読むことも大事です。
こんなにまで面倒臭いことをしなければいけないのか…
って思うんだけど、僕らが目指す未来をつくっていくには、本当に大事なことです。
これが定量的なものだったら、あまり気にする必要ないかもしれませんね。例えば、「1週間で売上を○○%伸ばすぞ!」とか、「12月はお客さんを○○人増やそう!」というように、誰が見ても同じ値を意味する数字という普遍的なものに対してだったら、丁寧な合意形成は要らないかもしれません。
「残業時間○%減」とか「売上○%up」とか数字を掲げ、見える化することによって、合理化や効率化を図ることは、とても分かりやすい合意形成の取り方だと思います。
このやり方が悪いと言っている訳ではなくて、組織やチームやその人が、何を目指していて、何のために存在しているのかが売上や集客目的だったら理にかなっていると思います。ただ、これを続けることで、人は思考停止になるリスクがあるんじゃないかとは思っています。
この間、SNSでこんなことを書いたら色々コメントを下さったので紹介しますね。
電子カルテシステムで医療者の仕事の効率化や生産性は確かに上がるけれど、テクノロジーによって自分の思考を止めてしまうリスクもある。つまり、考えない医療者が増えていくかもしれないという前提で電子カルテシステムを使いたいってことを書いたんです。
一昔前、人はテクノロジーをどうやって使うかって試行錯誤していたと思うんですが、今では人がテクノロジーに使われるようになってしまったのではないか。そんなことをイヴァン・イリイチが『コンヴィヴィアリティの道具』で書いています。
ここではテクノロジーという例を出しましたが、これは人や環境、物にも置き換えて考える事ができます。それぞれの「使う/使われる」の間にあるちょうど良いところを探っていく事が、今の僕らには必要だよねってこともイリイチは言っています。
ちょっと話がずれてしまった感じですが、何が言いたかったかというと、「人と人の間にあるちょうど良いところだったり、嫌じゃないところ」を探す作業が合意形成なんじゃないかなって思っています。
僕はまだまだこの作業が苦手なんです。合意形成を本気でやるには覚悟がいります。手間や時間がかかるし、批判される勇気と、受け入れられる喜びと、何も起こらない不安と、みんなで先に進めるワクワクと、色んな感情になる、させられる心構えが必要ですよね。
僕らは定量的な作業だけではなく、「誰も見たことない何かをつくる」作業も日々行っています。誰も見たことないんだから、僕自身もはっきりと見えないし、うまく言語化も出来ない。だからこそ、合意形成が大事なんですよね。理想を語るだけでは、人は離れていってしまいます。
すっごく面倒なことなんだけど、出来ればやりたくないことなんだけど、この面倒な作業をやらないと、僕らが目指す未来は作れないんです。
シンクハピネスと地域との間にある、ちょうど良いところや嫌じゃないところ。
医療者と地域で暮らす人たちの間にある、ちょうど良いところや嫌じゃないところ。
僕と誰かの間にある、ちょうど良いところや嫌じゃないところ。
きっと永遠の課題だと思うけど、これからも面倒臭いことをやりながら生きていきますw
では、今日はここまで!またね〜!