探究学習@麗澤瑞浪中学校

6月に引き続き、岐阜県にある麗澤瑞浪中学校で、探究学習プログラムの講師を務めました。

探究学習ってなに?

自ら問いを立てて、その解決に向けて情報を収集・整理・分析したり、周囲の人と意見交換・協働したりしながら進めていく学習活動のことです。 互いのよさを生かしながら、新たな価値を創造し、よりよい社会を実現しようとする態度を養うことを目的としています。

(引用:カンコー学生服 https://kanko-gakuseifuku.co.jp/media/teacher/tankyu)

現在、高校では「総合的な探究の時間」で、中学では「総合的な学習の時間」で行われている探究学習ですが、なかなか上手く取り組めていない学校が多いと聞きます。その内容を調べてみると、「生徒への評価が難しい」、「指導内容が不安」、「支援してくれる大学や企業な見つからない」、「十分な学習計画が作成できない」などでした。

以前、探究学習の一環で子ども哲学の授業を担当しているという方のお話を聞いたことがありますが、教員の理解の問題が大きいというお話をされていました。

 

探究学習プログラムMIETAN

そんな学校の課題に対し、様々な探究学習プログラムを展開しているのが、株式会社ミエタさん。

6月から関わらせていただいていますが、学校と時間をかけて打ち合わせを行い、目的に合わせて内容を変化させるという、とても丁寧なプログラム構築をされています。

https://www.mietaplus.com/

 

自分たちにとっての居場所ってなんだろうを考える

麗澤瑞浪で担当したのは、居場所を考えるプログラムで、「人や街から考える居場所づくり」というテーマで6月と10月でワークを行ってきました。

先週の授業では、夏休み中に府中や「たまれ」のことを調べてもらった上で、府中や「たまれ」の課題を設定し、事業やイベントのチラシをつくってプレゼンする、という所まで取り組んでもらいました。

探究学習プログラム『MIETAN』(10/18)

 

瑞浪にいる子どもたちから見た府中

ワーク中に各グループを回って話を聞いていると、ハッとさせられるような話題があったので、紹介しちゃいます。

 

「HPを見ると、府中は緑や自然をPRしているけど、実際、そこまで自然が多いわけではないし、もっと自然を使った遊びをPRできるんじゃないか。」

「府中は特産品をPRしているけど、もっと工夫ができると思う。」

 

府中の皆さん、この話題を聞いてどんな風に思いますか?

あくまでも個人的な感覚ですが、瑞浪市は市内の資源を最大限に活用しながら、市内外にPRをしていて、それが子どもたちにも伝わっているんだろうなと思います。

生活ガイド.comというサイトを見つけたので、瑞浪市と府中市の特色はどのように書かれているのかを調べてみました。

▼府中市

▼瑞浪市

府中に住んでいますが、府中の特産・名産は半分以上知りませんした…。(ごめんなさい)

瑞浪市は府中の何倍、何十倍?も自然があるし、野菜や果物などの特産品を上手く使って、市をアピールをしているような印象があります。それに、美濃焼や日本酒の蔵元など、日本だけでなく世界に誇れる名産があるのが特徴です。

府中市の主な祭りや行事を見てみると、外に開いたものというよりは、内向けの行事というように見えてしまいます。長い間住んでいるので、どうしても先入観を持って見てしまいますが、それでも外向けではないという印象があります。(あくまでも個人的な感覚ですが)

 

さて、プレゼンの内容はどんなものがあったかといいますと、

郷土の森公園のBBQ場を使ったグランピング施設や府中特産品を使ったお菓子や食品をつくり様々ところで販売する、フードトラックでコーヒーやスイーツを売りながら、毎日違う公園に行き、そこを相談の場にする、などなどです。

どの提案も「自分たちが中心となって運営する」というプレゼンだったので、そこが聞けただけでも花丸ですよね。

子どもたちが中心となって、企業などに声をかけながらやりたいという内容でした。

 

外からの声って大事

自明性の罠。

生徒たちのプレゼンを聞いて、この言葉を思い出しました。

今回の子どもたちの目線がとてもリアルで、プログラムを終えて1週間経ちましたが、思い出すと鳥肌が立ちます。

府中の取り組みが悪いと言いたいわけではなく、このような外からの声(ノイズ:何度も言いますが、僕はノイズを良い意味で捉えています)を大切にしていきたいと感じました。

今度は、実際に府中に来てもらって、府中の中学校や観光協会と一緒にワークが出来たら面白いんだろうな。

 

how messing around

このように、探究学習プログラムは、子どもたちだけではなく、僕らにも様々な気づきを渡してくれます。以前、東京大学名誉教授である佐伯胖さんのイベントに参加した時に「how messing around」という考え方が大切だとお話しされていたのを思い出しました。

▼当時書いた記事です

how messing around

何かを教えるのではなく、一緒に遊びながら、ふざけながら、答えを急がずに、横並びになって行きたい場所を一緒に見ることが大事。教育するなんて烏滸がましい、一緒に学ぶんだよって話をされていました。

医療と患者、医療とまちの関係を考える時も、この考え方が大事ですよね。

 

今日はこの辺で。

またねー。