作業療法士はまちづくりに向いている?

昨日は久しぶりに対面での講座を持たせていただきました。

対面で話をさせていただくのは、3月以来かな。やっぱり対面は良いですね。ライブ配信やトークセッションなどはまだ良いんだけど、講演的な内容をオンラインでやるのは参加者さんの温度感が分からないから、すごく難しいですよね。

それにしても、マスク付けっぱなしでの90分はキツかったなぁ〜。

 

昨日は年に2回ほど授業をさせて頂いている、社会医学技術学院の作業療法学科2年生に向けての地域作業療法学Ⅰという講座で話をさせていただきました。

 

今回の内容は【リハビリテーションとまちづくり】

このまちづくりという視点ですが、最近、作業療法士さんにはすごく親和性があると感じるようになりました。今年に入ってからSNSなどでDMをくださる作業療法士さんが増えているんです。訪問看護を見学したいという内容ではなくて、村づくりに関してのことで連絡をくださる方がほとんどです。

 

理学療法士と作業療法士って何かと比べられることが多くて、それぞれ専門性を持っているんだけど、一昔前は理学療法学科に合格しなかったから作業療法学科に入学したという人が結構いたんです。何を言いたいかというと、いまだに上下の関係性ってあるんじゃないかなぁという感じはあります。

これは、協会の体制を見てもね。

ここを話すとキリがないので、また機会があったら話しますね。

 

僕は15年前に理学療法士になりましたが、1年目から理学療法士と作業療法士のヒエラルキーみたいなのは個人的には全く考えていなくて、というか、あまり興味なかったのかもw

また、1年目に主に患者さんの相談をしていたのが、作業療法士の先輩だったということも関係あるかもしれません。

理学療法士の先輩はたくさんいたんだけど、何故か作業療法士の先輩に相談していたんですよね。あの時はあまり意識していなかったと思うんだけど、今考えると彼女は患者さんの暮らしを見ながらリハをしていたんだと思います。きっと、そこに惹かれて話してたんだろうな。

すごく楽しそうだったんですよ。彼女も患者さんも。

 

当時は、病室に迎えにき、そこからリハ室に移動して、まずはベッドに寝て、ストレッチや関節可動域訓練などから始めるみたいな療法士がほとんどだったと思うんだけど(今でもそうかな)、彼女は病棟に迎えに行き、リハ室にいく過程で、その日の姿勢とか、視線とか、雰囲気みたいなところを見るところから始めていたんです。

昨日と違うところはどこだろうってところをベースに、何気ない会話を患者さんとしながら、リハ室に到着するまでに、めちゃくちゃ細かいところまで見ていたんです。そして、前に書いたようなベッドに寝てストレッチから始めるみたいなルーティンはなくて、毎日違うことをしていました。

僕がいた病院はリハ室もかなり広かったから、常に20名くらいのリハスタッフと一緒にリハをしている20名くらいの患者さんがいたんだけど、彼女がいる場所は空気が違っていました。僕が特別な目で見ていたからそう思ったのかもしれないけど、他の患者さんからもあの人のリハビリを受けたいって声があったくらいです。

 

そんな彼女とたまたま同じ患者さんを持つ機会があって、そこから色々と相談させてもらったり、毎日居残りで勉強したり、学会に出たりと、本当に良い経験をさせてもらったなぁと思っています。

どんなことをやっていたかというと、人の暮らしにはたくさんの要素が入っていると思います。

あそぶ・はたらく・つくる・やすむ・つながる、などなど。

 

僕らは何気なく暮らしの中でこれらの活動をしているけど、身体はめちゃくちゃ複雑な動きをしてるんですね。この話も永遠続いちゃうので深くは話をしませんが、例えば、目ん玉を上に移動したままうなずくのと、目ん玉を下に移動させてうなずくのでは動き方が変わってきませんか?

こういう動きを出すのにも方法があって、ただ単に目ん玉の動きの練習を一緒にやる人もいれば、上下に動くおもちゃみたいなのを何気なくリハ室に置いておいて、会話しながら、どのくらい動くのかなーって目の動きを観察してみたり、さらにちょっと触ってみましょうかって、手を伸ばした時に、全身のどこが動きずらそうなのか、みたいなところを見てみたり。そこから、釣りが好きな人だったら、竿を持ってきて、上下の動きを出しながら、実際に釣りの動作をしてもらったり、糸の長さや仕掛けの重りを変えることでも、身体の動きは変わってくるし、目の動かし方も変わってくるので、何気なくそういうところを見たりとか。こんな風に日常的に何気なく行っている動作の一連の流れでリハを行う人もいます。

 

僕がやっていたのは後者の方で、患者さんの身体と僕だけではなく、そこに周りの環境(明、暗、熱い、冷たいなどなど)とか道具とかを間に置いて、そこに理学療法の要素を入れながらリハを行っていましたし、今でもここの考え方は変わっていません。

僕は中枢神経系(脳梗塞や脳出血)のリハが得意とまでは言えませんが、好きなんですが、特に中枢系の方にはここを意識してやっていますね。個人的な考えですが、どんな疾患だろうがここのベースは変えていません。

 

あー、つらつら書いてしまったww

一応、理学療法士ですw。まぁ、そんなこんなで作業療法士さんの考え方ってすごく好きなんです。

 

昨日の授業は、僕らがやっているまちづくりに、ちょっとだけリハの視点を入れて話をさせていただきました。僕らが大事にしているのは、人と人との関係や距離なんですが、上に書いたように、作業療法士さんは元々の職種特有の考え方があって、それが大きな強みになると思っています。

2年生ということもあって、まだまだこれから色んなことを吸収していく時期ですが、このような選択肢があるということを頭の片隅に置いてもらえたら嬉しいです。

 

人の暮らしは枠にはまらないし、はめられない。

そして、自分自身も、いつでも枠から出れるように、たくさんの選択肢を持っていて欲しいな。

 

 

昨日も楽しかったです。

ありがとうございました!

 

じゃあ、またね〜。